
REPORT
第1番目の目的地である配線になった旧可部線「安野駅」がある。
無人駅であった駅舎や鉄道車両も残されており、かつてまだ鉄道が通っていた時の光景がよみがってくるような風景が広がっていた。現在も営業をしている駅舎前の商店も昔のままの状態で非常に趣深い。
桜の季節のフォトスポットとして有名であり、安芸太田近隣をめぐるサイクリストたちの良き休憩場所となっている。
集落のすぐ横には太田川が流れており船着場の名残の石垣が残る。「船場」というバス停名からそのことが窺い知れる。
安原駅を散策後、沈下橋のある「程原地区」へ。
太田川で唯一の沈下橋「程原橋」を目指しトンネルを抜け、川沿いを徒歩にて移動。
歩きながら清水先生より、その土地ならではの自然や歴史などの話を聞き実際に観察する。
こういった時間こそがフットパスの醍醐味である。
沈下橋のある程原地区では、秋のシーズンには川の恵みを利用し産卵のために上流から下流に落ちてくる「落ち鮎漁」が盛んになる。この地区には「猪(いの)」の1字の苗字の一族が住んでおりこの漁を継承している。
川にかかる沈下橋はこの地区に住む方々の大切な「道」としてここに存在している。
昼食は地元安芸太田のお弁当を堪能。手作りでボリュームも満点だ。地元のものを食す、これもフットパスの楽しみだ。
前日の雨の影響により瀬戸の滝までの道が利用できず、コースを変更し「立岩ダム」「那須集落」へ。
ダムの開発により失われてしまった集落、これからの開発によって失われてしまう光景に思いを馳せた。那須集落では先人が主要な道として利用した那須古道の散策も行った。
フットパスの最後は宮島の杓子と因縁を持つ戸河内クリ物の「横畠工芸」へ。
今年90歳となる横畠文夫さんの職人の技術を目の当たりにし感動を覚えた。
横畠夫妻の温かいおもてなしにより今回フットパスが締めくくりがとても素晴らしいものとなった。